私が整体に出会う前、産後に激痛を抱えていた時の話をさせていただきます。
もう10年以上前になりますが、雪がちらつく寒い1月、24時間かけて3386gの第一子となる息子を自然分娩で無事に出産しました。
分娩で疲れ切っていたので一度寝て、そして目が覚めると、お尻から脚にかけて痛み、時間を追うごとに激痛になりました。
出産の為入院していた総合病院で車いすに乗り、整形外科の診察を待ってレントゲンを撮ってもらいました。
しかし、整形外科の先生によれば何も異常は無いとのことで、激痛を抱えながら湿布と痛み止めをもらいその場を後にしました。
退院しても、お尻・足の痛みは続き、初めての育児どころか息子の沐浴さえもままならない状態で心身共に辛くなっていました。
産婦人科を退院後もあまりに痛みが続くため、他の整形外科をハシゴすると、とある先生が一言、
「仙腸関節炎だね。」と。
病名がわかってからは、「仙腸関節」を整えてもらえる施術を受けることで、遅ればせながら、ようやく育児を始めることができるようになりました。
その頃の息子は、すでに沐浴の時期は卒業していましたが、一緒に楽しくお風呂に入る事ができました。
では、普段あまり聞きなれない「仙腸関節」って何でしょうか。
◆ 仙腸関節とは
骨盤は、仙骨と寛骨(腸骨+恥骨+坐骨)で形成されています。
仙腸関節は仙骨と寛骨の接触面のことを言い、股関節の直上に位置し、上半身の体重を支えたりています。
この関節の可動域は数ミリときわめて小さいことが特徴です。
整形外科の医師によれば、「これまでは椎間板や付近の神経圧迫が腰痛の主要因とされてきたが、最近では骨盤の関節である仙腸関節に由来しているという見解が医学界でも存在感を増してきている」という考えも出てきているようです。
◆ 仙骨の名前の由来とは
”仙骨(sacrum)”の語源はラテン語にさかのぼり、英語に転じて”sacred(神聖)”と言います。
すなわち、仙骨は”聖なる骨”であり、人の魂が宿る場所として考えられていました。
仙骨は、人体の中心にあり、分娩で胎児が通り抜ける神聖な滑り台であることから、古来、この”聖なる骨”は人体にとって最も重要な骨と考えられてきました。
◆ 生まれて最初に動く骨は?
人間が生まれて最初に動く骨は仙骨という考え方があります。
仙骨の次は後頭骨が動き、第一次呼吸システムにより脳脊髄液を通して、一生が始まると言われています。
第一次呼吸システムは脳の呼吸とも言われ、赤ちゃんがお腹の中にできて、まず初めにする生命活動つまり呼吸。 まだ、肺が出来る前に行う呼吸です。
第二次呼吸システムは、皆さんがご存じの生まれてから行っている肺呼吸を指します。
第一次呼吸システムとは?
頸椎・胸椎・腰椎・仙骨の骨からなる脊柱の中は、脊柱管となっており、その中を脳から中枢神経が、軟膜、クモ膜、硬膜に覆われて伸びています。
そして、軟膜とクモ膜とのわずかな隙間は、脳脊髄液が満たして循環しています。
脳脊髄液の役割は、神経に対しての栄養供給といわれ、その正常な流動が神経の機能障害を正し、健康保持のベースとなっています。
仙骨と後頭骨がポンプのように動いて脳脊髄液を循環させる、人体にとって大変重要なシステムを第一次呼吸システムと言います。
◆ カイロプラクティックとは
ーWHOの定義はこのようになっております。ー
神経筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントおよび/もしくはマニピュレーションを含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーションに注目する。
もっと簡単に言えば、
語源
『Chiro=手、practice=技』
カイロプラクティックの語源でもあるこの『手』と『技』によって骨格の矯正を行います。
その歴史は実際には非常に古く、遠くギリシャ・ローマ時代にまで遡ることができます。
これが正式に学問となったのは、1895年にアメリカのD.D パーマーが、20年以上耳が聞こえなかった人の背骨の1番上を矯正した事で症状が改善した事が始まりです。
これにより、背骨の歪みが身体の異常に影響していると考え、歪みを矯正する事により身体の機能を正常化させ、人間の持っている自己治癒力を高める事で様々な病気を治せると確信し、これをカイロプラクティックと名付けられた経緯があります。
カイロプラクテックは10数種類ありますが、そのうちの1つ、バキボキしないでリラックスして身体を整えるSOT(エス・オー・ティー)をご紹介します。
SOTと呼ばれる手技は仙腸関節を含む骨盤の異常な動きを正常に整えていきます。
◆ 仙骨を整えるSOT(エス・オー・ティー)とは
SOTとは Sacro Occipital Techic の頭文字をとった略で、日本語訳ですと「仙骨・後頭骨テクニック」と言います。
カイロプラクティックのうちの1つの技術で、バキボキしないでゆるやかな呼吸と共に身体を整える手技です。
1925年M.B.ディジョネットを中心としたグループにより創始され、仙骨と後頭骨のバランス不全からすべての疾患が起こるという観点から仙骨と後頭骨のバランスを整えるカイロプラクティック理論です。
生理学的・解剖学的見地から探求し、研究した結果、人体の構造的歪みは3つの基本的なグループに落ち着くことを臨床的に発見し、これらのグループを、カテゴリーⅠ、カテゴリーⅡ、カテゴリーⅢに分類しました。複数のカテゴリーを持った人もいます。
SOTカテゴリー分類
- カテゴリーⅠ:第一次呼吸システム不全
- カテゴリーⅡ:仙腸骨間靭帯の損傷(仙腸関節の離開)
- カテゴリーⅢ:骨盤と腰椎のアンバランス
過去のSOT理論の臨床データとこのは整体院のこれまでの経験により、以下のように分類できます。
カテゴリーⅠ | カテゴリーⅡ | カテゴリーⅢ |
自律神経失調症 坐骨神経痛 四肢の運動麻痺 顔面麻痺 皮膚病 頸部損傷 不眠症 ヒステリー 首こり 肩こり 慢性頭痛 うつ症状 (他) |
骨盤の痛み めまい 耳鳴り 後頭部の頭痛 肩部の筋力低下 背部痛 足指の痛み 遺尿症 産後の骨盤周囲のトラブル 膝痛 気象病 蕁麻疹 片頭痛 (他) |
坐骨神経痛 四肢の冷え 歩行障害 臀部痛 頸部コリ症 脊椎関節炎 膀胱炎 痔 腰痛 (他) |
◆ 産後の骨盤を安定させるには
産後の女性はカイロプラクティックのSOTにおいてカテゴリーⅡの方が多く、一般的に骨盤がゆるんでいる状態と言われております。SOTの技術で動きすぎる仙腸関節を安定させていきます。これは、関節を安定させられる手技は数少ない技術であります。
というのも、関節へのアプローチの多くは、動かない関節を動かすものだからです。
仙腸関節が動きすぎることで、身体の支えが衰弱し、赤ちゃんの抱っこや、授乳、お着換え、沐浴など、産後の育児で辛い状態になりますが、SOTで仙腸関節を安定させることで、動きやすいお身体に整えていきます。
もちろん、産後の育児では、周囲の方やご家族から「何かできることある?」と声をかけてもらう事も嬉しいことです。
笑顔で子育てができるように、頑張り続けているお身体のケアをしてあげましょう。
このは整体院では、バキボキしないカイロプラクティックSOTで骨盤・仙腸関節をしっかり整えていきます。
新型コロナウィルスの感染拡大に気を付けながら、【出張整体】or【日野市神明のプライベートサロン(P有)】で施術をさせていただきます。
このは整体院とは
施術内容や整体師を紹介日野市・多摩地域の女性のための整体院【このは整体院】
出張整体 & 駐車場付きプライベートサロン